果物と野菜の摂取量の指標である血漿中のビタミンC濃度やカロテノイド濃度(カロテンなど)が高いほど糖尿病の発症リスクが低くなる可能性があるとの報告があったのでご紹介します。

 

欧州8ヵ国での大規模調査

この研究は2020年7月8日に英国のBritish Medical Journal誌に発表されたもので、ケンブリッジ大学臨床医学研究科(英国)のJu-Sheng Zheng氏らの研究グループが、欧州8ヵ国で実施した大規模前向きケースコホート研究「EPIC-InterAct」の結果を報告したものです1)。

 

評価項目として、血漿中のビタミンC濃度、総カロテノイド濃度(α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチンの合計)、個々のカロテノイドの濃度、およびビタミンCと個々のカロテノイドから成る複合項目と糖尿病との関連を評価しました。

 

※ここでいう糖尿病とは体質(遺伝)や高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因で発症すると考えられている2型糖尿病のことです。

 

摂取量を増やすだけで糖尿病の予防ができる?

血漿中の各項目を均等に5つのグループに分けて、統計的な処理を行い多変量調整モデルにて調査した結果、血漿中のビタミンCが高いほど糖尿病の発症リスクの低下と関連が認められました。

 

また、総カロテノイド濃度や複合項目においても同様の結果が得られたとのこと。

 

下の表はビタミンCやβカロテンなどの血漿中の項目を均等に5つのグループに分けた場合、血漿中濃度が一番低い「グループ1」の糖尿病発症リスクを1.0とした場合、血漿中の濃度が高くなるほど、糖尿病の発症リスクが低くなることを表しています。

 

 

 

今回の調査で、もし欧州8ヵ国 (デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スエーデン、イギリス)すべての人が1日あたりの野菜と果物の摂取量を66グラム増やすことができれば、糖尿病のリスクが1000人あたり0.95人減少する可能性があり、適度に野菜と果物の摂取量を増やすだけでも糖尿病予防に役立つと結ばれています。

 

1)Association of plasma biomarkers of fruit and vegetable intake with incident type 2 diabetes: EPIC-InterAct case-cohort study in eight European countries. BMJ. 2020; 370: m2194.

 

 

今まで野菜や果物の摂取量と糖尿病のリスクに関する調査では、自己申告制の食事質問の頼っていたので結果に一貫性がないものが多かったとのこと。

 

この調査では、血液中の栄養成分の濃度と糖尿病のリスクについて報告されているので客観的な科学的裏付けのひとつになりそうです。

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。