厚生労働省が2015年1月に発表した資料によると、2012年時点で認知症患者数は約462万人(65歳以上の約7人に1人)、2025年には約700万人(65歳以上の約5人に1人)に増加すると予測されています。さらに、認知症の予備軍は約400万人ともいわれ、認知症の増加は大きな社会問題になっています。

 
認知症の原因疾患として過半数を占めるアルツハイマー病の発症は、生活習慣、それに起因する生活習慣病などの環境要因と遺伝的要因の2つが関係していると考えられています。

 
今回、金沢大学の研究グループが、認知症の遺伝的危険因子であるアポリポタンパクE E4を持っている高齢女性において、血中のビタミンC濃度を高値に維持することは、認知機能の低下を防止することにつながる可能性があることを初めて明らかにしました。

 
アルツハイマー病の危険因子であるアポリタンパクE(アポE)は脂質の代謝に関係するタンパク質です。アポEには3つのタイプ(E2、E3、E4)があります。日本人ではアポE E4を保有しているとアルツハイマー病の発症リスクが約3.9倍も高くなることが報告されています。アルツハイマー病の発症リスクは女性の方が男性より約1.5倍高く、特に高齢女性がアポE E4を保有していると、その発症リスクが約4.4倍に増加することもわかってきました。

 
研究グループは、健康な高齢者(65歳以上)について、平均7.8年後に追跡調査を行い、血液中のビタミンC濃度を低中高の3つの群に分け解析を行いました。

 
その結果、アポE E4保有している女性では、血中ビタミンC濃度が最も高い群は、最も低い群と比べて、認知症を発症する危険性が0.16倍に、また、将来の認知機能低下(認知症または軽度認知障害の発症)する危険性が0.10倍に減少することを明らかにしました。

 

 

 
研究グループは、将来認知機能が低下する危険性が高いアポE E4保有している女性の場合、ビタミンCを豊富に含む食品を摂取することが認知機能低下リスクを下げる可能性があると伝えるとともに、今後、さらに認知症先制医療の確立に貢献したいと述べています。

 
参考:Higher Blood Vitamin C Levels are Associated with Reduction of Apolipoprotein E E4-related Risks of Cognitive Decline in Women: The Nakajima Study.

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。