ビタミンCには血管や骨を丈夫にするコラーゲンの合成、ストレスに対応するために合成されるアドレナリンの合成、動脈硬化や心臓病の原因とされるコレステロールの代謝、また、わたしたちの食事の中で多くを占める非ヘム鉄の吸収促進作用など様々な働きがあります。

 

実は、このビタミンC、心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患にも関係しているんです。これは、一般の方々12万人の協力を得て、最近の日本人の食生活ががんとどのように関連しているのかを調査するJACC Studyと呼ばれる研究で明らかとなりました。

 

この研究は、循環器疾患の既往のない40-79歳の男性23,199人、女性35,611人を対象に17年間追跡した大規模な調査です。参加者が回答した、食品摂取頻度調査(FFQ)のデータから男女別にビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの摂取量を5つのグループに分け、追跡期間中の循環器死亡リスクを解析したものです。

 

調査の結果、17年間の追跡で循環器疾患により亡くなった方は2,690人でした。この死亡者をビタミンC摂取量でみると、女性ではビタミンC摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比較し、脳卒中死亡リスクは0.70倍、虚血性心疾患死亡リスクは0.63倍、循環器疾患死亡リスクは0.79倍と、ビタミンC摂取量が多いグループの死亡リスクが有意に低いことがわかりました。また、男性でもビタミンC摂取量と循環器疾患死亡リスクとの間に弱い関連が見られました。その一方、男女ともにビタミンAとビタミンEではその関連は見られませんでした。

 

 

このような報告は欧米などで確認されていましたが、国内で確認されたのは、はじめてのことです。また、男性でビタミンC摂取量と死亡リスクの関連が弱いことは、欧米の研究と同じ結果でした。男性は他の様々な循環疾患危険因子の影響が強いことなどの理由により死亡リスクとの関連が弱いと考えられています。

 

特にビタミンCが成長期や働き盛りの方に不足しています。ビタミンCは、美肌効果、疲労回復や、ストレスへの対応、活性酸素の除去など様々な働きがあると考えられていますが、ビタミンCはヒトの体内では合成できません。食品からの摂取だけではなく、サプリメントからの摂取も積極的に考えたいものですね。

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。