ビタミンCには血管や骨を丈夫にするコラーゲンの合成、ストレスに対応するために合成されるアドレナリンの合成、動脈硬化や心臓病の原因とされるコレステロールの代謝、また、わたしたちの食事の中で多くを占める非ヘム鉄の吸収促進作用など様々な働きがあります。

 

実は、このビタミンC、白内障の発症にも関係しているようです。
米国ブロンソン社サプリメントを推奨しくださったライナス・ポーリング博士(1901-1994)とも親交のあった物理学者 三石巌先生(1901-1997)が著書「医学常識はウソだらけ(祥伝社)」の中で、ビタミンCと白内障について述べられています。
三石先生は、ひどく目がかすむので大学病院の眼科へ行ったところ、白内障で2~3年もすれば目が見えなくなると言われたそうです。
1961年当時は白内障の治療法も現在のようには進んでいなかったため、これを契機にさまざまなアプローチから調査した結果、得られたのがビタミンCでした。
三石先生はビタミンCの不足から眼球がダメージを受けたと考え、ビタミンCを自らの手で注射するようになりました。その結果、失明しなかっただけではなく、35年以上にわたり執筆活動や講演活動をおこなったそうです。

 

三石先生がビタミンCで白内障を治してから30年、現在ではさらに研究が進んでいるのでご紹介します。

 

水晶体は、ビタミンCを蓄えることで透明性を維持し、常に紫外線にさらされている水晶体を守っています。
国立がん研究センターによる調査によれば、白内障を発症していない男女約35,000人についてビタミンC摂取量を調べ、ビタミンC摂取量を男女均等に5グループに分け、5年間追跡調査したところ、ビタミンCの摂取量が多いグループ程、白内障の発症リスクが低くなることが確認されました。
また、このグループの中で白内障の手術を受けた方に絞っても、ビタミンCの摂取量が多くなるほど、発症リスクが低くなることも判明しました。
これらの結果はビタミンCの摂取量が多いほど、発症リスクが下がり、発症しても手術を受ける可能性が低くなることを示しています。
このような報告は欧米などで確認されていましたが、国内で確認されたのははじめてのことです。

 

 

岩手医科大学などの研究によれば、ビタミンCを合成できないマウスを使い、ビタミンC欠乏群とビタミンC十分投与群にわけて、水晶体に紫外線を照射すると、ビタミンC欠乏群の水晶体懸濁(白内障)率が他の2群に比べて約2倍高くなることが確認されました。
これは、水晶体中のビタミンCの欠乏により、紫外線の影響を受けやすくなり水晶体の懸濁が進行したと考えられます。
このように、ビタミンCが水晶体の恒常性や透明性の維持などに重要な役割を持つことが示唆されました。

 

 

ビタミンCには、美容上の問題だけでなく、疲労回復や、ストレスへの対応、貧血防止に役立つ、活性酸素の除去など様々な働きがあるとされています。
ビタミンCはヒトの体内では合成できません。
食品からの摂取だけではなく、サプリメントからの摂取も積極的に考えたいものですね。

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。