モリンガはインド原産の植物で高温、乾燥に強いため亜熱帯地域で広く栽培されている植物です。葉や花、果実が食用として広く利用され、種子からは油が摂れるので化粧品などにも利用されています。

 

このモリンガに血圧を下げる作用があることを広島県総合技術研究所らの研究グループが報告していたのでご紹介します。

 

1回の投与では変化なし

研究グループは、国内産モリンガを十分乾燥させ、蒸留水とともに粉砕撹拌した後、濾過したモリンガ葉水抽出液を作成しました。

 

この抽出液を17週齢、19週齢、21週齢のラット6匹に、強制的に与えたモリンガ投与群と、同様に水を与えた対照群(各週齢6匹ずつ)について2時間ごとに血圧を測定し比較しました。

 

その結果、モリンガ葉抽出液群で血圧の傾向は認められず、対照群に対しても有意な差は認められませんでした。

 

 

 

 

 

長期投与で血圧が低下

1回の投与では有意な血圧低下作用が認められなかったため、6週間の長期投与について検討を行いました。

 

長期投与試験は、11週齢のラット4匹ずつをモリンガ葉抽出液群と対照群に分け、同じ時間に抽出液と水を投与し、血圧は週に2回、同じ時間帯で測定し比較しました。

 

また、1週目から5週目まで投与を行い、最後の1週間は通常の飼育を行っています。

 

その結果、投与後21日目までは2つの群で有意な差は認められませんでしたが、25日目以降モリンガ投与群で血圧の上昇が有意に抑制されました。

 

さらに、投与を止めた1週間後に血圧を測定したところ、2つの群の有意差がなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

モリンガ中のGABAが影響

検討に使用したモリンガ葉抽出液のGABA(γ-アミノ酪酸)の0.3mg/Lであり、乾燥したモリンガ葉に換算すると100g中に300mgのGABAを含んでいたことになります。

 

GABAは、わたしたちの体の中で神経伝達系物質として働き、過剰な動脈の収縮を緩和する抗高血圧作用があることが報告されています。

 

最近ではGABAを加工によって増強した食品が開発され商品化されるようになってきています。例えば発芽玄米で6~40mg/100g、ギャロン茶で200~300mg/100gの程度のGABAが含まれています。

 

そのため、筆者は「モリンガ葉のGABAはこれらの食品よりGABAが多く含まれているため、GABAが生体の血圧調整系に対して抑制的に作用し血圧低下作用が生じた。」と推定しています。

 

継続的な摂取が必要

今回の研究結果から、筆者は1回の投与検討では、血圧を低下させるだけの必要量が足りなかった可能性を指摘しています。

 

また、「長期投与では投与中止後に血圧抑制効果がなくなっているため、活性成分は体内に蓄積されず、代謝・排泄されてしまったと推定され、抗高血圧作用を維持するためには継続的な摂取が必要。」と述べています。

 

 

 

 

栄養価が高いモリンガはインドだけではなく、最近ではベトナムでも盛んに栽培されるようになり、日常食としてスープや炒め物など野菜として広く利用されているそうです。

 

モリンガにはビタミンやミネラルだけではなく食物繊維やアミノ酸、βカロチンやポリフェノールなども豊富に含まれています。

 

野菜が足りていない方や野菜嫌いの方は、うまく取り入れるのもよいかもしれませんね。

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。